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海水水槽での水換え手順まとめ

アクアリウム、海水水槽を維持していく上で水換えは避けては通れないメンテナンスのひとつです。

この記事では、水換えの方法、手順や必要な道具などについて解説していきます。

水換えをする意味

そもそもアクアリウム、海水水槽で水換えをする必要ってあるの?と思う方がいるかもしれません。

結論から言ってしまうと、水換えは海水水槽を維持していく上で必ず必要になります。

理由は様々ですが、一般的によく言われる理由が以下の通りです。

  • ①硝酸塩を除去するため

海水水槽では、フィルターやライブロックに住むバクテリアの力を借りて魚の残り餌や糞、そのほか発生してしまう有害物質を分解する「生物ろ過」と呼ばれるろ過を行い水をきれいにしています。

しかし、このろ過にも限界はあり、このろ過で分解された有害物質は最終的に「硝酸塩」と呼ばれるほぼ無害な物質になるのですが、この硝酸塩という物質はそれ以上分解されにくく、どんどん蓄積していってしまいます。

硝酸塩がほぼ無害とはいてもあまりに蓄積すると魚にとっては有害なものですし、サンゴにとっては微量でも蓄積すると調子を崩す原因となるものです。

そこで、このろ過の最終生成物であるところの硝酸塩を水換えで取り除く必要があるのです。

 

  • ②栄養塩を除去するため

硝酸塩以外にも、リン酸塩やケイ酸塩など、いわゆる「栄養塩」と呼ばれる海水魚やサンゴにとって有害になり得る物質も日々蓄積していきます。

また、これらの栄養塩はコケの原因であり、蓄積するとコケが蔓延し見た目としても最悪な状態になります。

これらの物質も生物ろ過では分解されにくいので、水換えによって除去する必要があります。

ただし、リン酸塩やケイ酸塩は水道水にも含まれているため、専用の浄水器を通した水で水換えを行わないと効果が半減してしまいます。

よって、海水水槽での水換えはR/O浄水器と呼ばれる専用の浄水器を使用することをおすすめします。

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また、リン酸塩やケイ酸塩は吸着剤によっても除去できますので、浄水器を用意できない方はこちらもおすすめの方法です。

以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。

マリンアクアリウムにおいて海水魚、特にサンゴを飼育する場合に注意すべき水質の一項目に、リン酸塩、ケイ酸塩という物質があります。これらの物質はコケの発生の原因となるなど様々な面で水槽に悪影響を及ぼすので、できる限り除去する事が望ましいです。コケを取っても取っても生えてくるという方は、コケの原因となるリン酸塩やケイ酸塩が蓄積しすぎているかもしれません。この記事では、この厄介なリン酸塩、ケイ酸塩の発生の原因と、これらの物質が増えることによる悪影響、そして対処の方法について解説していきます。リン酸塩...

 

  • ③ミネラルを補給するため

海水にはミネラルと呼ばれる動物の生命活動に必要な必須元素が多く含まれています。(カルシウム、マグネシウムなど)

これらのミネラル分は、生命活動によって日々消費されていきます。

水槽のような閉鎖された環境ではこれらのミネラル分は水換えによって補わなければいずれ枯渇してしまい、生命活動に支障をきたします。

特にサンゴはこのミネラル分の消費が激しく、水換えによるミネラル分の補給を頻繁に行う必要があります。

ミドリイシと呼ばれるサンゴは水換えだけでもミネラルの補給が足りず、カルシウムリアクターという専用の装置を使って更にミネラル分を補給する必要があるほどです。

 

これらの理由から、水換えを行うことはアクアリウムを維持していく上で必要な事だということがわかります。

水換えは栄養塩を減らすため、と解説しているサイトも多くありますが半分正解、半分間違いだと筆者は考えています。

最近では機材(プロテインスキマーや各種添加剤・吸着剤)の進化により、水換えをしなくても栄養塩を減らす事は非常に容易になりました。

ですが、水換えには③のミネラルを補給するという目的があることを忘れてはいけません。

よって、栄養塩が検出されていないから水換えの必要は無い、ということにはなりませんのでこのあたり勘違いの無いようにする必要があります。

 

また、注意してほしいのは、新しい海水は良い意味でも悪い意味でも非常にきれいな海水であるという点です。

というのも新しい海水にはろ過バクテリアや微生物などはほとんどおらず、自然の海水と比べるとあまりに人工的なものです。

こういったバクテリア量があまりに少ない海水で水換えを頻繁に行うと、水槽内でのバクテリアの繁殖速度より水槽から取り除かれるバクテリア量が上回ってしまい、水槽の生物ろ過能力が落ちてしまう場合もあります。

新しい海水にはこういったデメリットもありますので、一概に水換えばかりしていればいいというわけでもないという事だけは知っておいてください。

大事なのは、水槽の状態を見極め、その状態に合った水換えをするということですね。

水換えの量・頻度

アクアリウムにおいて水換えが必須だということがわかったところで、具体的にどれくらい水換えを行えばいいのかを解説していきます。

結論から言ってしまうと水換えの量・頻度については「各自の水槽による」としかいえません。

水槽のサイズやろ過能力、魚の数や飼っているサンゴの数、種類によって栄養塩の蓄積速度やミネラルの消費が大きく変わってくるからです。

とはいえ、目安となる量はありますので以下を参考にしてみてください。

ろ過のタイプとサンゴの有無 水換えの量 水換えの頻度
通常ろ過(海水魚水槽) 総水量の3~4割 1~2週に1回
通常ろ過(サンゴ有) 総水量の3~4割 1週に1回
ベルリンシステム(海水魚のみ) 総水量の2~3割 1~2週に1回
ベルリンシステム(サンゴ有) 総水量の2~3割 1週に1回

 

通常ろ過(フィルターを設置するろ過システム)での飼育の場合は硝酸塩が蓄積しやすいので水換えの量を多めに、サンゴ水槽ではミネラルの消費が多いので頻度を多めにという考えに基づく水換え量です。

通常ろ過、ベルリンシステム式ろ過などろ過については以下の記事を参考にしてください。

アクアリウムをする上で、なくてはならない存在である「ろ過」海水水槽では、淡水水槽とはまた違ったろ過方式が存在します。大きく2種類に分けると、「通常ろ過」と「ベルリンシステム式ろ過」の2つに分類する事ができます。また、使用するフィルターは、「外部式フィルター」と「プロテインスキマー」がメインとなります。この記事では、海水水槽で使用されるろ過方式を解説し、また筆者のおすすめのフィルター、プロテインスキマーを紹介していきます。そもそも「ろ過」とは?水槽内の海水は、魚やその他生物(微小生物、バクテリア等...

 

魚やサンゴの数が多い場合は水換え量や頻度を増やしたり、逆に少ない場合は減らしたりと状況に応じて対応しましょう。

水換えに必要な道具

以下の道具が水換えに必要となります。

  • 排水用ホース
  • バケツ
  • 人工海水
  • カルキ抜き
  • 比重計/温度計

排水用ホース(ポンプ)

水槽から水を取り除くのに必要です。

サイフォンの原理を利用してホースで排水するのが一番簡単な方法です。

プロホースと呼ばれる排水用の便利な商品もあるので小型水槽の場合はこちらを使用するのがおすすめです。

プロホース M

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水中ポンプを使用しての排水も可能です。大型水槽ではこちらの方が時間を短縮できるでしょう。

水中ポンプにホースを接続し、水槽に投げ込み排水を行います。

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バケツ

水槽から抜いた水を貯めておく用と、あらかじめ海水を作って貯めておく用の2つ必要です。

100均で売っているもので十分ですが、大きいものの方が何度も水槽と洗面所を往復せずに済むので楽です。

排水用に10~20L程度のものを、海水の作りおき用に20~40L程度のものが便利です。

ポリバケツ 20L

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人工海水

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海水を作るのに必要です。

人工海水についてやおすすめ人工海水については以下の記事を参考にしてください。

海水魚飼育、サンゴ飼育に欠かす事のできない人工海水(の素)ですが、あらゆるメーカーから様々な種類の人工海水が販売されています。この記事では各社人工海水の特徴と違い、おすすめの人工海水について解説していきます。人工海水とは?人工海水(じんこうかいすい、artificial seawater)とは海水の組成を模して人工的に調製された液体、もしくはその元となる粉末や濃縮液のことである。海水を必要とする生物の飼育や培養において、入手性、再現性、廉価性などの理由から天然海水の代用となっている。一方、人工海水を作るには、pHや...

 

カルキ抜き

人工海水にカルキ抜きが含まれている場合は不要です。

また、浄水器で塩素を除去している際にも不要です。

プロテインスキマーを使用している場合にはテトラのアクアセイフやエーハイムの4in1などのコンディショナーを含む製品はスキマーに影響があるので使わないのが無難です。

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比重計/水温計

比重計は作った人工海水の塩分濃度を測定するのに使います。

簡易式比重計を使用するのが一般的で安値かつ簡単に測定できるのでおすすめです。

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ただし簡易式比重計は結構アバウトで正確な値は出ないと思っておいたほうがいいです。

とはいえ±0.001程度の誤差なので通常そこまで気にするほどではないです。

サンゴ飼育などで正確な値で測定をしたい場合などには塩分濃度屈折計を使用します。

塩分濃度屈折計

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水温計は海水を作る際の水温測定に使用します。

デジタル式、水銀式どちらでもかまいませんのでお好みで。

水換え手順

水換えの手順としては大まかには以下の通りです。

  1. 海水をつくる
  2. 水槽の海水を抜く
  3. 抜いた海水を捨てる
  4. 海水を補充する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

海水をつくる

水換え

あらかじめ水換えに使用する海水をつくっておきます。

海水の作り方としては、以下の手順となります。

  1. 水温を確認しながらバケツに水道水を必要量溜める
  2. カルキ抜きを規定量入れる
  3. 人工海水を規定量入れる
  4. 塩が溶けてなくなるまでよく混ぜる
  5. (エアレーションでよく曝気する)
  6. 比重計で比重が合っているか確認する

ポイントは5のエアレーションでの曝気です。

エアレーションをすることで人工海水の成分がよく混ざりながら溶け、また酸素も豊富な海水がつくれます。

理想は1時間以上エアレーションすることですが時間が無い場合は最悪飛ばしても構いません。

筆者は必ず一晩エアレーションをしてよく曝気した海水で水換えを行うよう心がけています。

比重は一般的に水温25℃時に1.022~1.026程度が好ましいとされています。

筆者は1.024になるように調整をしています。

水槽の海水を抜く

プロホースなどを使い水槽から海水を抜きます。

このとき魚を吸い込まないように注意しましょう。

筆者は男らしくホースを直接吸ってサイフォンしています(汚いので真似しないように笑)

抜いた海水を捨てる

抜いた海水を洗面所やトイレに流しましょう。

海水なので庭に捨てたりするのはあまりよくない気がしますのでそのあたりは自己責任でお願いします。

海水を補充する

抜いた分の海水を補充します。

水槽に水を注ぐ際は底砂が掘れてしまわないように水を手で受け止めて勢いを殺しながら注ぎます。

筆者は男らしくそのままドバーしています(こちらは本当に真似しないように笑)

また、大きなバケツで海水を作っている場合には小さなバケツで数回に分けて注ぎましょう。

また、水換えに水中ポンプを使用している場合には逆に給水にも利用できるのでポンプを使って水を注いでもいいです。

 

以上で水換えは終了です。お疲れ様でした。

水換えは毎週あるいは隔週で行う必要があるので、できる限り楽な方法で行うことをおすすめします。

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