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【ニモを飼育しよう!】カクレクマノミの生態と飼育方法まとめ

この記事では映画「ファインディング・ニモ」、「ファインディング・ドリー」の登場キャラクターとして人気の高い「ニモ」ことカクレクマノミの生態、飼い方について解説していきます。

カクレクマノミとは?

カクレクマノミ

カクレクマノミは、海に生息している海水魚の一種で、オレンジの体色に3本の白ラインが特徴的な海水魚です。

大きさは幼魚で2cm程度、最大でも8cm程度にしかならず、海水魚の中では非常に小型な種だと言えます。

ディズニーの映画、「ファインディング・ニモ」で主役キャラクターとして登場して以降、ディズニーキャラとしてはもちろん、マリンアクアリウムで飼育する海水魚としての人気も非常に高いです。

(余談ですが、映画に登場するニモやマーリンは厳密にはカクレクマノミではなく、ペルクラというカクレクマノミに非常に近しい別種であるという説が有力だそうです。)

 

映画の公開時は「ニモブーム」として世界中のアクアリウムショップでカクレクマノミの需要が高まり、各地で乱獲などが問題化するなど社会現象にもなったほどです。

また、この過程でカクレクマノミの養殖技術が発展し、養殖された個体はブリード個体として広く流通するようになり、現在では安値で、安定した供給が行えるようになりました。

また、養殖技術の発展の過程で改良品種なども生み出され、複雑なパターンの模様を持つレア種のクマノミが誕生したりもしました。

 

このようにマリンアクアリウムにおいてカクレクマノミの需要は大きく、恐らく海水魚飼育を始めようと思う方の多くがこのカクレクマノミを飼育したいからという理由なのではないでしょうか?

需要に応えるように、海水魚を販売しているショップのほとんどでこのカクレクマノミを見ることができます。

このようにカクレクマノミはマリンアクアリウムのスーパースター的存在なのです。

 

カクレクマノミと同じく人気の海水魚であるドリーことナンヨウハギについては以下の記事でまとめてありますのでこちらもぜひ併せて見てみてください。

この記事では「ファインディング・ニモ」及び「ファインディング・ドリー」のメインキャラクターとして登場する海水魚、ナンヨウハギのドリーの種類、生態や値段、飼育方法について解説していきます。実際に水槽を立ち上げてからナンヨウハギを飼育するまでをまとめた記事はこちら↓ナンヨウハギを飼育してみたいという方がこの記事を読み終わった後に読むのにおすすめです。 ナンヨウハギとは「ドリー」でおなじみのナンヨウハギは、魚の種類としてはニザダイ科に分類される海水魚です。濃い青の体色をベースに、独特な黒い模様と...

 

カクレクマノミの生態

さて、カクレクマノミが人気の海水魚ということがわかったところで、カクレクマノミの生態について見ていきましょう。

前述したとおり、カクレクマノミは比較的小型の海水魚です。分類としてはスズメダイの仲間にあたります。

クマノミ類の大きな特徴として、雄性先熟であることと、イソギンチャクと共生するということが挙げられます。

雄性先熟

雄性先熟とは、産まれたときは全てオスの個体で、その後状況に応じてメスへと性転換する性質の事を言います。

クマノミは自然界ではコロニー(集団)を形成して群れで過ごしていますが、その中で最も大きい個体がメスとなり、繁殖行動を起こします。

このような繁殖形態をとる理由として、体の大きな個体ほど多くの卵を産む事ができ、多くの子孫を残す期待が高いであろうから・・・と考えられています。

性転換をする魚は他にもいますが、その多くがメスからオスへの性転換であり、オスからメスへの性転換をする魚類はとても珍しく、クマノミ類の大きな特徴といえます。

イソギンチャクとの共生

カクレクマノミ

一般にクマノミの特徴として有名なのはどちらかといえばこちらのイソギンチャクと共生するという特徴でしょう。

イソギンチャクから顔を出すカクレクマノミの可愛さは映画でもおなじみですね。

クマノミ類はイソギンチャクを住処とし、外敵から身を守ります。

イソギンチャクの触手には毒があり、クマノミ類の様にこの毒に耐性がある魚以外は近づく事ができません。

 

また、逆にクマノミはチョウチョウオなどイソギンチャクを食べる恐れのある生物が近づいた際に追い払ったり、イソギンチャクの餌となる有機物を運んできたりするなど、イソギンチャクを守る行動をします。

このように互いにメリットがある共生を相利共生と言います。

イソギンチャクと関係のある海の生物は多くいますが、相利共生をするクマノミ類はイソギンチャクとの関係性が最も強い生物と言えます。

カクレクマノミの飼育に関する注意点

上記のような特徴のあるカクレクマノミですが、実際に飼育する際はどのようなことに気をつければよいのでしょうか。

まず、前提として知っておくべきなのは、カクレクマノミは飼育難易度としては簡単な部類の海水魚であるということです。

 

前述したとおり、カクレクマノミは最大でも8cm程度にしかならない小型種なので、小型の水槽でも飼育が可能です。

具体的には30cm程度の水槽からでも飼育ができ、60cm水槽を用意すればカクレクマノミを複数匹と、他の魚(ナンヨウハギなど)も一緒に飼育する事ができます。

また、水質の変化・悪化にも強く、比較的温和な性格をしている為、丈夫で混泳も可能で、初心者が初めて飼育する海水魚としてとても適していると言えます。

 

ただし、これはカクレクマノミについての話であり、イソギンチャクについては全く別の問題です。

カクレクマノミとイソギンチャク

イソギンチャクはクマノミ類と一緒に飼育される事が多いです。

むしろ、クマノミ類と一緒に飼育されていないイソギンチャクはいないと言っても過言ではありません。

イソギンチャクの触手でもふもふしているクマノミは他の海水魚にはない独自の可愛さがあります。

カクレクマノミを飼育するとなると、一緒にイソギンチャクを飼育したくなるのも当然でしょう。

 

しかし、このイソギンチャクがなかなかどうして厄介な生き物で、飼育難易度がかなり高めな生物です。

 

まず第一に、要求する水質・光の条件のハードルが高いということが挙げられます。

水質はサンゴを飼育するレベルの清浄な海水を好むため専用のろ過装置が必要になり、また光も同様にサンゴが飼育できるレベルの照明器具が必要になります。

これらの機材は専門性が高いためどうしても高価になってしまい、全くの飼育初心者の方が一式揃えるには少し厳しい値段になってしまいます。

 

また、イソギンチャクは自分の好む場所を求めて水槽内を激しく動き回ります。

イソギンチャクはクマノミ以外の魚を食べてしまい、また毒性も強い為、動き回る過程で触れたサンゴを片っ端から死なせてしまいます。

従って、イソギンチャクを飼育するとなるとクマノミ以外の魚やサンゴの飼育は難しくなってしまいます

 

特に、カクレクマノミが最も好むイソギンチャクであるハタゴイソギンチャクは、飼育難易度がイソギンチャクの中でもトップクラスに高いことで知られています。

最高レベルの水質と明るい環境を要求し、ベテランの方でも飼育に苦戦することもある種です。

またが相場が1万円前後と結構なお値段がするものですので、総合的に見てとても飼育初心者におすすめできるものではありません。

 

カクレクマノミの飼育は初心者の方でも比較的容易に行えますが、イソギンチャクも一緒にとなると、その飼育難易度はかなり高くなってしまいます。

ですので初心者の方は、とりあえずはイソギンチャクは諦め、カクレクマノミだけを飼育してみることを強くおすすめします。

 

実はカクレクマノミは、必ずイソギンチャクがいなければ生きていけないということはありません。

もちろん自然の環境を考えればイソギンチャクと共生させるに越した事はありませんが、いなければいないで特に問題もなく、普通に飼育は可能です。

筆者もカクレクマノミをイソギンチャク無しでペア飼育していますが、むしろイソギンチャクがいないことで常に寄り添って泳いでいる姿を見ることができます。

 

もちろん、カクレクマノミを上手く飼育する事ができたら後でイソギンチャクを追加するということも可能ですので、まずはカクレクマノミの飼育を第一に考えることをおすすめします。

カクレクマノミの違い

ショップで売られているカクレクマノミにも違いがあります。

第一に天然物(ワイルド個体)か、養殖物(ブリード個体)かの違い、そして天然物だった場合、産地の違いがあります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

天然物(ワイルド個体)

カクレクマノミ

(画像クリックでcharm販売ページへ)icon

ワイルド個体は、実際に各地の海で採取された個体です。

国内で販売されるカクレクマノミは、主にインドネシアから輸入される個体が多く、次いで沖縄産の個体が多いです。

値段は1000円弱~数千円と産地や個体の大きさにより上下します。

 

ワイルド個体の特徴としては、色鮮やかで丈夫な個体が多いという事です。

自然豊かな環境で育っているので健康に育った色鮮やかな個体が多く、沖縄産のスーパーオレンジと呼ばれる色鮮やかな個体は特に人気があります。

また、外敵がいる厳しい自然の環境で育っている為、弱い個体は自然淘汰されてしまい、必然的に強くて丈夫な個体が残ります。

 

ワイルド個体のデメリットとしては、餌付けがされていないことが挙げられます。

餌付けがされていない海水魚は、水槽で飼育する際に与える人工飼料に餌付ける必要があり、人工飼料を食べてくれない場合などを考えると若干リスクがあります。

ただし、ほとんどの海水魚がワイルド個体で入荷されているにも関わらず普通に餌付けられ、飼育されているという現状、更にクマノミ類は餌付けが非常に簡単な種ということを考えるとこの点はさほど気にする必要はないのかもしれません。

実際に筆者もワイルド個体のカクレクマノミの餌付けで困ったことは一度もありません。

 

また、沖縄産のワイルド物は他の産地に比べ高めの価格なこともデメリットと言えるかもしれません。

しかし、その分丈夫でより色鮮やかな個体が多いので、値段とのトレードオフと考えれば仕方のないことだといえます。

養殖物(ブリード個体)

ブリードカクレクマノミ

(画像クリックでcharm販売ページへ)

養殖物は、ブリード個体とも呼ばれ、養殖場で卵から育てられた個体の事を言います。

養殖物の特徴としては、人工餌で餌付けされている事がほとんどなので餌付けを気にする必要が無いということが挙げられます。

基本的に何でも食べてくれるので、餌付けとか難しそう・・・と考えている初心者の方でも安心して飼育する事ができます。

 

また、理由は不明ですが比較的薄めの体色の個体が多く、バンドの乱れている個体(イレギュラーバンド)も多く見られます。

これは正直なところ、好みの問題ですのでメリットとも見れますしデメリットとも見れますね。

 

そして体長2~3cmの幼魚が売られていることが多いのもブリード個体の特徴です。

ワイルド物ではなかなか見られない小さなサイズですので、小さめの可愛らしい個体が欲しい方にとっては嬉しいことです。

ただし、2~3cmの幼魚は水質の変化や水質悪化などで体調を崩しやすいので初心者の方ならもう少し成熟した個体の方が安心して飼育できるかもしれません。

 

値段は1000円程度なことが多いです。

 

以下はワイルド個体とブリード個体の違いをまとめたものになります。

  天然物(ワイルド個体) 養殖物(ブリード個体)
餌付け
体色 産地によるが濃くて鮮やかなものが多い 比較的薄めの体色
大きさ 主に4~6cm 主に2~3cm
値段 産地による。1000円弱~数千円 1000円前後

カクレクマノミの飼育に必要なもの、予算

水槽

カクレクマノミについてひと通り知識を付けたところで、実際にカクレクマノミを飼育するにはどうすればいいのか、また予算についてはどの程度用意しておけばいいのか、それぞれ見ていきましょう。

カクレクマノミの飼育

前述した通り、カクレクマノミは海水魚の中でも比較的飼育難易度は低い種類です。

よって初心者の方でも比較的簡単に飼育をすることができます。

 

ただし、やはりそうは言ってもカクレクマノミは海水魚ですので、飼育には水道水に専用の塩を溶かしてつくる人工海水が必要だったり、自然の海の環境を再現する為にサンゴ砂サンゴ岩が必要だったりと、夜店で取ってきた金魚を飼育するような即席の飼育はできません。

このあたりはカクレクマノミでない海水魚を飼育する時にも言えることです。

 

必要なものさえ揃えてしまえば、あとは毎日餌を与えて、たまに水換えをするなど、金魚などの淡水魚を飼育するのと同じように飼育をする事ができます。

ですのでカクレクマノミ飼育する上で大切な事は、海水魚の飼育方法を良く調べ十分理解し、それに必要なものを揃えることだと言えます。

飼育に必要なもの

カクレクマノミは、基本的には一般に海水魚が飼育できる設備があれば飼育が可能です。

具体的には、水槽ろ過装置照明といった、観賞魚を飼育する際に必ず必要になるものです。

カクレクマノミは非常に小型な魚でかつ非常に丈夫でのあるので、30cm程度の小型水槽での飼育も十分に可能ですし、フィルターや照明などの機材も最低限のスペックがあれば飼育は可能です。

カクレクマノミ飼育セット icon(画像クリックでcharm販売ページへ)

上記商品のような小型水槽のセット商品でも十分に飼育が可能です。

 

とはいえ、大きい水槽の方が水量が多いため水質が安定しやすいためできる限り大きい水槽で、またろ過に関してもできる限り強力なフィルターを使用することがカクレクマノミの健康な飼育に繋がります。

セット水槽に付属するろ過装置やその他機材は最低限の性能のものであることが多いため、できることならセット水槽で済ませるのではなく、水槽、ろ過装置、照明やその他機材など個別にしっかりとした性能のものを選んで購入したいところです。

 

海水魚を飼育する際に必要な具体的な用品は以下の記事でまとめてあります。

この記事では具体的な個別の用品の紹介は省きますので、セット水槽ではなく個別にしっかりとした機材を揃えて始めたいという方は読んでおくことをおすすめします。

この記事では、マリンアクアリウム、その中でもカクレクマノミ(ニモ)やナンヨウハギ(ドリー)といった海水魚を飼育するのに必要な用品について解説していきます。そもそもマリンアクアリウムについて全く知識が無いという方は↓ マリンアクアリウムで飼育できる生物について知りたい方は↓ 以上の記事を先に読んでおく事をおすすめします。海水魚飼育に必要な用品一覧以下画像クリックでcharmの商品販売ページへ飛びます。水槽アクアリウムをする上で必要不可欠です。サイズや素材、品質など水槽には様々な種類、違いがあります...

 

 

また、ベルリンシステムというろ過方式で飼育することで水質を安定して良好に保つことができ、またサンゴやイソギンチャクの飼育も可能になります。

ですのでこれから飼育を始める方で後々サンゴやイソギンチャクの飼育もしてみたいという方はベルリンシステムでの飼育もおすすめします。

ベルリンシステムやろ過方式については以下の記事で詳しく解説していますのでこちらも読んでおくことを推奨します。

アクアリウムをする上で、なくてはならない存在である「ろ過」海水水槽では、淡水水槽とはまた違ったろ過方式が存在します。大きく2種類に分けると、「通常ろ過」と「ベルリンシステム式ろ過」の2つに分類する事ができます。また、使用するフィルターは、「外部式フィルター」と「プロテインスキマー」がメインとなります。この記事では、海水水槽で使用されるろ過方式を解説し、また筆者のおすすめのフィルター、プロテインスキマーを紹介していきます。そもそも「ろ過」とは?水槽内の海水は、魚やその他生物(微小生物、バクテリア等...

 

飼育に必要な予算

飛んでいくお金

カクレクマノミを飼育するにあたって必要な予算についてですが、30cm程度の小型水槽でカクレクマノミを2匹(ペア)飼育するなら2~3万円程度は用意しておくといいでしょう。

60cm水槽でカクレクマノミを複数匹と他の海水魚を飼育するなら3万円~5万円程度必要になってきます。

 

イソギンチャク、サンゴを一緒に飼育するとなると別途専用の機材が必要になり、それぞれ予算が1.5~2倍程度必要になると考えておいてください。

人工海水や、強力なフィルターを必要とする以上、どうしても初期コストはそれなりにかかってしまいますが、海水魚飼育の難易度は機材の性能によるところが大きいので妥協せず十分な性能の機材を購入しておくことをおすすめします。

 

筆者が実際にカクレクマノミを飼育するために60cm水槽を立ち上げた時の記事がありますのでよければ参考にしてみてください。↓

海水魚を飼育してみたいけど何が必要なのか、どうやって始めればいいのか、どのように飼育するのか、アクアリウムをやったことが無い方にはわからないことだらけです。この記事ではマリンアクアリウム(海水魚飼育)初心者の方が0から始めることを想定し、マリンアクアリウムの基礎から機材の選び方、水槽の設置まで実際に水槽を立ち上げた例を交えながら詳しく解説していきます。そもそもマリンアクアリウムとは?マリンアクアリウムとは、文字通り海水で飼育を行うアクアリウムのことです。淡水で行う一般的なアクアリウムとは、飼育...

 

まとめ

カクレクマノミについて知ることはできましたか?

難しそうに思えるカクレクマノミの飼育ですが、クマノミの丈夫さもあり実はそんなに飼育難易度は高くありません。ただしイソギンチャクは完全に別問題ですが・・・。

今年はニモの映画の続編が公開されるということで、第二次ニモブームが起こるのではと予想しています。

 

ここからは余談になりますが、筆者も最初は映画「ファインディング・ニモ」を見て海水魚飼育に興味を持ったクチです。

当時は小学生でしたが、何度も近所のショップへ行き、店員さんに飼い方を教わって、お小遣いやお年玉をやりくりしてようやく憧れのニモが我が家に来た時の喜びは今でも忘れられません。

大人の方はもちろんですが、しっかりと情報を集めて正しい飼育方法を学べば小学生でも飼育はできます。(金銭面では大人の方の援助が必要になりますが笑)

もしお子さんに「ニモ飼いたい!」と言われたら、何から何まで全部用意してあげるのではなく、飼育方法や管理の仕方などを調べさせて、ニモを通じて生き物を飼うというのがどういうことなのかを教えてあげるのがお子さんにとって非常に貴重で大きな経験になるはずです。

(実際僕がそうでした。今では無類の生き物好きです。)

今年の映画の公開がマリンアクアリウム界にどのような影響を与えるのか、今から楽しみです。

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