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海水魚飼育に必要なヒーターの選び方、おすすめ製品まとめ

ヒーターまとめ

海水魚、サンゴの飼育をするうえで、水温の管理は欠かせないものです。

日本の気候では冬になると水槽用のヒーターを使い、水温を上昇させる必要があります。

この記事では冬の時期の飼育に欠かすことのできないヒーターの使い方、選び方、おすすめの製品について解説します。

海水魚・サンゴ飼育にヒーターは必要?

結論から述べますと、冬の時期には必ず用意する必要があります。

というのも、海水魚やサンゴは24~26℃くらいが活動に適した水温であり、

日本の冬の住宅でヒーター無しにこの水温を維持するのは極めて難しいです。

 

暖房をつけるから大丈夫では?と思う方もいるかもしれませんが、

様々な理由から部屋の暖房設備で水温管理を行うのはおすすめしません。

 

まず第一にコスパが悪いです。

お金

水温を一定に保つため、24時間暖房をつける必要があり、この点で多くの方にとっては現実的ではありません。

よほど部屋に多くの水槽があり、まとめて管理したいという場合以外には無駄が多いです。

 

部屋の暖房による弊害として、石油ストーブなどを使用することで部屋内の酸素が減ることに比例し水槽内のpHが減少するという問題もあります。

また、エアコンを使用する場合でも部屋が乾燥し、海水が蒸発することにより比重が上がってしまうなどの問題もあります。

 

このように、部屋の暖房設備で水温の管理を行うことは様々な問題があります。

一方、水槽用のヒーターは基本的に入れるだけで水槽の水温を一定に保ってくれることを考えると、どちらで水温を管理すべきかは明白です。

水槽用のヒーターはそこまで高価なものではありませんし、冬の水温管理は基本的にヒーターを用いて行いましょう。

参考:夏場の高水温対策

4月になり、暖かい日が続くと春の訪れを感じますね。アクアリウムにおいても、水槽内の水温が上昇し、水槽用のヒーターを外すことも考え出す季節です。そしてしばらくすると、あっというまに気温はぐんぐん上昇し、アクアリウム、特に海水魚やサンゴを飼育する上で厳しいシーズンとなる夏がやってきます。この記事ではそんな厳しいシーズンである夏にかかせない、水槽の高水温対策、冷却法、クーラーについてまとめていきます。夏場のアクアリウム夏場はアクアリウム、特に海水魚・サンゴ飼育をする私たちにとっては厳しい季節です。熱...

 

ヒーターの選び方

ヒーターを選ぶ際のポイントは3つあります。

・温度調整方式

・消費電力(ワット数)

・安全基準を満たしているか

の3つです。

温度調整方式による違い

アクアリウム用ヒーターには2つの温度調整方式が存在します。

温度固定式温度可変式です。

 

温度固定式はその名の通りあらかじめ設定された一定の温度に水温を保つヒーターです。

市販されている製品は26℃固定式が主流です。

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温度固定式ヒーターのメリットは、余計な温度調整機能を取り去ったことにより、

コンパクトに設置が可能な点が挙げられます。

サーモスタットと呼ばれる水温を感知する部分がヒーター内部にあるので水槽内がすっきりします。

また、温度可変式に比べ比較的安値であることも温度固定式のメリットです。

できる限り余計なものを入れたくない小型水槽などに特におすすめです。

 

温度可変式はその名の通り水温を自分で設定した値に調整できるヒーターです。

温度可変式ヒーターのメリットは、飼育する生体に合わせて水温を変えることができる点です。

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海水魚の中でも、深い場所に住んでいる海水魚は一般的な海水魚よりも低い水温を好む種もいます。

こういった種を飼育する場合は26℃にしか設定できない温度固定式では対応できないので温度可変式を使用する必要があります。

また、温度可変式ヒーターなら海水魚の活動水温下限の22~23℃にすることで冬の時期の電気代の節約ができます。

このように、温度を調整できることで飼育の幅が広がるので筆者は温度可変式ヒーターをおすすめします。

ただし、温度調整機能という制御装置がついている分、温度固定式に比べ若干故障のリスクが高いという点だけ注意してください。

温度固定式 温度可変式
水温 固定(一般的に26℃) 可変(15℃~35℃など)
値段 比較的安価 比較的高価
汎用性

消費電力による違い

アクアリウム用ヒーターを選ぶ基準として重要なのは消費電力(ワット数)です。

電熱線を温めて水温を上げるという仕組みの水槽用ヒーターでは、消費電力がそのヒーターの性能に直結するからです。

 

消費電力が高ければ高いほど水温を上昇させる能力が高いと考えてください。

水槽サイズ別のおおよその目安を以下の表に示します。

水槽サイズ ヒーターの消費電力
30cm(25L程度) 50~100W
45cm(40L程度) 100~150W
60cm(60L程度) 150~200W
90cm(150L程度) 300W~
120cm(250L程度) 500W~

上記の表はあくまで通常サイズの水槽を通常の飼育の範囲(25℃前後)に保てる目安です。

オーバーフロー水槽で濾過槽分水量が増えたり、より高水温を維持したい場合より強力なヒーターが必要になります。

安全基準(SHマーク)

アクアリウム用ヒーターは電熱線を使用しているので、一歩間違えれば火災を招きかねないものです。

実際にアクアリウム用ヒーターによる火災事故が過去に何度も起きています。

こういった事故を防ぐため、観賞魚用ヒーター安全対策協議会というアクアリウムメーカーの集まりが統一基準規格(SH規格)というものを作りました。

この基準を満たしている製品はヒーターによる火災事故への対策を行っているということになります。

もちろん、この基準を満たしているからといって100%事故が起こらないというものではありませんが、基準を満たしていない製品を使用するよりは安心できます。

趣味のアクアリウムで火事になって全てを失ってしまった・・・なんてことになってしまったら笑えませんので、

ヒーターはSH基準を満たしたもの(SHマークの付いたもの)を選ぶようにしましょう。

その他注意すべきポイント

基本的には上記3つのポイントを基準に選べばいいのですが、その他に注意すべき点があります。

まず、アクアリウム用ヒーターは消耗品であるということを知っておきましょう。

 

メーカーでは1年での交換を推奨しており、ヒーターの使用は冬季のみですので基本的に1シーズン限りのものだということです。

ケチった結果ヒーターが暴走して火災が発生・・・なんてことにならないように毎年の交換を怠らないようにしましょう。

 

また、ヒーターの故障は生体の命に直結する問題ですので、万が一に備えヒーター2本を併用すると安心して冬を過ごせると思います。

これは大型のオーバーフロー水槽等の大規模システムを維持している方にとっては一般的となりつつあります。

 

まとめますと、ヒーターは海水魚やサンゴの命、また飼育者の命にも関わる可能性のある飼育用品なのでケチらず安全第一で検討しましょう。

おすすめの海水水槽用ヒーター

前述した3つのポイントを踏まえた上でおすすめのヒーターを紹介します。

とはいえアクアリウム用のヒーターは基本的にどれも同じ構造で、メーカー毎に特徴的な違いがあるわけではありませんので値段やデザインで自分の好みのものを選んで問題ありません。

ということで以下ではアクアリウムにおいてよく使用されるメーカーのヒーターを紹介していきます。

テトラ 26℃セットヒーター シリーズ

大手アクアリウム用品メーカーのテトラが販売する26℃固定式のヒーターです。

この製品の特長としてはサーモスタット内臓の温度固定型なので非常にコンパクトに設置ができる点が挙げられます。

また、安全装置が内蔵されているため、万が一の空焚きや温度以上の場合にも自動で通電を遮断するため安全面にも配慮されています。

(安全装置作動後は再使用できないため注意)

価格もアクアリウム用ヒーターの中ではお手頃で、サイズ展開も多く

初心者の方や小型水槽ユーザーにおすすめなヒーターといえます。

~45cm 60cm ~60cmワイド
100W 150W 200W

GEX NEWセーフカバー ヒートナビ シリーズ

アクアリウム用品大手のGEXが販売する温度可変式ヒーターです。

温度調整が可能な温度可変式でありながら、サーモスタットは本体に内蔵されているため

コンパクトに設置が可能なタイプのヒーターです。

 

安全面への配慮として、温度センサー+温度ヒューズの二段階の安全対策がされており、

安全性を確保しながら、うっかり短時間水中から出してしまった場合にでも再使用が可能な機構となっています。

 

サーモスタット一体型でコンパクトに設置が可能な点から、オーバーフロー水槽でない小型~中型水槽におすすめなヒーターです。

価格やデザイン、安全対策等を総合的に考慮すると、ヒーターに迷ったらこのヒートナビシリーズを選べばまず間違いないといえる製品です!

~45cm 60cm ~60cmワイド
120W 160W 220W

GEX ナビパック シリーズ

上で紹介したヒートナビの、サーモスタット(温度感知部)とヒーター部が分離したタイプの製品です。

分離型のメリットは、ヒーターを交換する際にヒーター部だけ交換すれば良いので交換時のコストが安く済むことが挙げられます。

アクアリウム用のヒーターは安全のため1年での交換が推奨されており、

長く使う場合、分離型とそうでないタイプとではかかる費用にかなりの差が出ます。

長く使うつもりなら分離型のヒーターを使用することをおすすめします。

 

ただし温度感知部とヒーターが分離しているため、水槽内がコードでごちゃごちゃしてしまうというデメリットもあります。

ヒーターを収納できる濾過槽を持つオーバーフロー水槽ならこの点は気にならないので、特にオーバーフロー水槽におすすめだといえます。

 

【サーモスタット+ヒーター】

~45cm 60cm ~75cm ~90cm
120W 160W 220W 300W

【交換用ヒーター部】

~45cm 60cm ~75cm ~90cm
120W 160W 220W 300W

ニッソー シーパレックス600NEO + プロテクトヒーター R-300W

ニッソーが販売する600W用サーモスタットと300Wヒーターです。

このサーモスタットは計600Wまでヒーターを接続することができますので、

プロテクトヒーターR-300Wを2つ接続することが可能です。

 

ヒーターを複数設置することにより、加熱ムラを抑えたり

万が一片方のヒーターが故障した場合にも温度の維持が可能など様々なメリットがあるため

特にヒーター故障の際のリスクの大きい大型水槽などでは複数ヒーターでの管理をおすすめします。

まとめ

海水水槽で使用されるヒーターの選び方について知ることはできましたでしょうか。

ヒーターは冬の時期には絶対に必要となる飼育用品です。

また、意外と知られていないですがアクアリウム用ヒーターは1年で交換が推奨されている消耗品でもあるので

毎年自分の水槽にあったものを夏の終わりごろから準備するようにしましょう。

決して筆者のように年中水槽に入れっぱなしで何年も放置しているなどということのないように・・・笑

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