海水魚にはとても多くの種類がいます。ショップでみかける海水魚だけでも500種以上はいるでしょう。
海水魚の飼育がはじめての方は種類による飼育難易度の違い、種類間の相性などわからないことがとても多いと思います。
そこでこの記事では飼育歴10年越えの自称中級者の筆者が飼育初心者の方に本当におすすめしたいビギナー向け海水魚10種を紹介・解説していきます。
初心者におすすめできる海水魚の条件とは?
いきなりおすすめ海水魚の紹介を初めてもいいのですが、まずは筆者の考える飼育初心者におすすめできる基準、ポイントについて説明していきます。
飼育初心者におすすめできる海水魚として重要な点は以下の3点だと考えています。
- 餌付きやすさ
海水魚には餌付けを行わないと人工の餌を食べてくれないような種類もいます。
餌付けは飼育初心者にとってはハードルの高い作業だと思いますので、水槽に入れた当日から人工餌を食べてくれるような種類が飼育初心者にとっては理想的だといえます。
餌を食べるか食べないかは生命に直結するので一番重視すべきポイントだといえます。
- 丈夫さ
比較的丈夫で初心者でも飼育が容易な淡水の熱帯魚とは違い、海水魚は非常に繊細な魚です。
飼育初心者の方は水替えや餌やりの勝手がわからず、水質を悪くしてしまいがちですが、そんな過酷な状況でもぴんぴんしていたり、病気にならないような丈夫な種類が初心者が選ぶべき海水魚です。
もちろん、丈夫かどうかは別として水質は良い状態を維持するに越したことはないのですが・・・笑
- 性格の良さ
海水魚にも人間と同じように性格というものがあります。
やんちゃな種類だったり、おとなしい種類だったり、仲間とグループを作る種類だったりといった感じです。
やんちゃな種類の海水魚は他のおとなしい海水魚をいじめる可能性があるので、こういった種類の海水魚は飼育初心者が選ぶべきではないでしょう。
かといって、おとなしすぎる海水魚も引きこもり気味で餌をあまり食べないこともあるのでなかなか難しい問題です。
他にもいろいろとポイントはあるのですが、とりあえずは上記3点は絶対に気にするべきポイントだといえます。
今回紹介するのは筆者の独断と偏見で選んだ(笑)10種類のみですが、上記の3点を満たしている種類ならば飼育初心者におすすめの海水魚だといえます。
ショップで気になる種類がいましたら、店員さんに上記の点を聞くか、ネットで調べるかなどして自分でも飼育ができそうかどうかのチェックをしましょう。
また、海水魚を飼育する水槽の始め方は以下の記事で解説していますのでまだ読んでいない方は是非読んでみてください。
飼育初心者におすすめの海水魚10選
前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本題です。
筆者の飼育経験や周囲の評判などを踏まえ、飼育初心者におすすめの海水魚を10種類ピックアップして紹介します。
ショップでもよく見かけ、飼育書でも初心者向けとされているような種類ばかりですので、何もわからない初心者の方でも最初の1匹はこの中の海水魚から選んでおけばまず間違いないと思います。
とはいえ個体差や状態によるところもあると思いますのであくまで参考程度にお願いします。
デバスズメダイ
デバスズメダイ(6匹)
charm
参考価格:-※
charm:¥1,600※amazon:¥1,440※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
丈夫な海水魚として知られるスズメダイのなかでも、デバスズメダイはおとなしい性格で餌付きもよく、値段も手ごろというまさに飼育初心者向けの王道海水魚といえる種です。
人工の餌もバクバク食べますし、飼育で特に気を付けることはなく、デバスズメダイが飼えないようなら他のどの海水魚も飼えないだろうといえるくらいです。
ただし、おとなしい性格ゆえ、同じ水槽内に気の強い魚、特に別種のスズメダイがいるといじめられてしまう可能性が高いです。
ですので一緒に飼育する海水魚はあまり気の強くない種類にすることが長生きさせるコツだといえます。
また、デバスズメダイは群れで泳ぐ習性があるため、複数匹での飼育がおすすめです。
60cm水槽では5,6匹、90cm水槽では10匹以上を一緒に飼育することで迫力のある群泳を楽しむことができるでしょう。
餌をよく食べる種類なので、群泳させた際の水質悪化には気を付けましょう。
餌付けのしやすさ | ★★★★★ |
丈夫さ | ★★★★☆ |
性格のよさ | ★★★★★ |
総合おすすめ度 | ★★★★★ |
スズメダイについては別記事でおすすめのスズメダイを紹介していますので興味がありましたらこちらの記事もおすすめです。
スプリンガーズダムセル
スプリンガーズダムセル(3匹)
charm
参考価格:¥-※
charm:¥1,800※amazon:¥-※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
スプリンガーズダムセルは上記のデバスズメダイと同じスズメダイの仲間で、デバスズメダイよりも濃い青色の体色を持つ美しい海水魚です。
スプリンガーズダムセルも性質的にはデバスズメダイとほぼ同等で、丈夫でおとなしく、餌付きもいい非常に飼育難易度の低い種類です。
違う種類のスズメダイはケンカをしやすいので同じ水槽内に入れないのが原則ですが、スプリンガーズダムセルとデバスズメダイは例外的な存在で、同じ水槽内に入れてもケンカをしないどころか一緒に混泳をするほど仲の良い組み合わせです。
デバスズメダイだけでは色がちょっと寂しい場合などにアクセントとして一緒に泳がせてあげると非常に美しい群泳を見ることができます。
入荷が少ない種類ですので在庫があれば早めの購入が吉です。
餌付けのしやすさ | ★★★★★ |
丈夫さ | ★★★★☆ |
性格のよさ | ★★★★★ |
総合おすすめ度 | ★★★★★ |
カクレクマノミ
カクレクマノミ(ブリード)
charm
参考価格:¥-※
charm:¥1,400※amazon:¥1,510※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
映画の主役として一躍有名になったカクレクマノミも、飼育初心者におすすめできる海水魚のうちの1種です。
カクレクマノミは上記のデバスズメダイやスプリンガーズダムセルと同じスズメダイの仲間ですので、丈夫で餌付きやすいという性格がカクレクマノミにも当てはまります。
また、カクレクマノミは人工繁殖されたブリード個体と呼ばれる個体が多く出回っているのも飼育初心者にとってはメリットが多いです。
ブリード個体は、ほとんどの場合人工飼料に餌付けられていて、サイズも小さめの可愛い個体が多く、値段も手ごろという特徴があり、飼育初心者向けだといえます。
ただしカクレクマノミは複数匹を同時に飼育するとペアになった個体がそれ以外をいじめてしまうので同じ水槽で複数匹同時に飼育したい場合、多くても2匹までにしましょう。
カクレクマノミについては以下の記事で詳しく紹介していますので参考にしてください。
餌付けのしやすさ | ★★★★★ |
丈夫さ | ★★★★☆ |
性格のよさ | ★★★★☆ |
総合おすすめ度 | ★★★★☆ |
ハタタテハゼ
ハタタテハゼは、その名の通り飛び出たヒレが印象的なハゼの仲間です。
非常におとなしい性格で、おとなしい性格の魚と混泳させないと引きこもってしまいがちになってしまうほどおとなしい魚です笑
ですので本種を飼育する際は混泳させる魚に気をつけましょう。
人工餌もよく食べ、水質の悪化にも強い丈夫な種類ですので飼育初心者にもおすすめです。
ヒレをピンピンさせながらちょこちょこ泳ぐ姿は非常にかわいいです。
驚くと水槽から飛び出すほど暴れることもあるので水槽にフタは必須です。
体が細く小さな隙間からでも飛び出すので完全密封するくらいの気持ちで対策しましょう。(筆者もフタをしてても今まで何度か飛び出しで死なせてしまっています・・・)
餌付けのしやすさ | ★★★★★ |
丈夫さ | ★★★★☆ |
性格のよさ | ★★★★★ |
総合おすすめ度 | ★★★★★ |
フレームエンゼル
フレームエンゼル
charm
参考価格:¥-※
charm:¥5,800※amazon:¥-※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
真っ赤な体色が特徴的なフレームエンゼルというヤッコの仲間です。
マリンアクアリウムでは昔からポピュラーな種で、飼育しやすいヤッコとして知られています。
ヤッコの仲間には餌付きにくく、臆病な性格のものが多くいますが、フレームエンゼルに関してはむしろ餌付きやすく、物怖じしない性格だといえます。
真っ赤な海水魚は珍しく、水槽のいいアクセントになってくれます。
また、ヤッコ独自のきょろきょろしながら岩の隙間を泳ぎ、岩についたコケなどを食べる姿は非常に可愛いです。
一部の柔らかいサンゴ(LPSなど)を食べてしまう可能性がある点と、ヤッコ同士では激しく争う可能性が高いという点には注意しましょう。
また、丈夫とはいえ深場に生息するヤッコですのであまりに水質が悪かったり、強光下にさらし続けたりすると色褪せて赤色が薄くなってしまうのでLPSのような強光を必要としないサンゴ水槽などで飼育するのが理想的だといえます。
餌付けのしやすさ | ★★★★☆ |
丈夫さ | ★★★★☆ |
性格のよさ | ★★★☆☆ |
総合おすすめ度 | ★★★★☆ |
小型ヤッコについては別記事でおすすめの小型ヤッコについて紹介しているので興味がありましたらこちらの記事もおすすめです。
アフリカンフレームバックエンゼル
アフリカンフレームバックエンゼル
charm
参考価格:¥-※
charm:¥4,350※amazon:¥4,480※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
青とオレンジの塗り分けが印象的なアフリカンフレームバックエンゼルもヤッコの一種です。
フレームエンゼル同様、ヤッコの中でも非常に丈夫で餌付きやすく、性格もおとなしめな飼育のしやすいヤッコとして有名です。
ヤッコの中でも比較的小型な種ですので30cm程度の小型水槽でも十分飼育が可能なヤッコです。
やわらかいサンゴを食べてしまう可能性がある点と、ヤッコ同士では争う可能性がある点は他のヤッコ同様ですので注意しましょう。
こちらはフレームエンゼルより色褪せはしにくい印象ですので強光下のサンゴ水槽などにもおすすめです。
餌付けのしやすさ | ★★★★☆ |
丈夫さ | ★★★★☆ |
性格のよさ | ★★★☆☆ |
総合おすすめ度 | ★★★★☆ |
ヒフキアイゴ
ヒフキアイゴ
charm
参考価格:¥-※
charm:¥1,800※amazon:¥1,962※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
ヒフキアイゴはカラーリングと口の形状に特徴のある海水魚です。
いかにも海水魚といったべた塗りのイエローは水槽内で非常に目立ちます。
また、ヒフキアイゴのもうひとつの魅力として、優秀なコケ取り生体として働いてくれる点が挙げられます。
ヒフキアイゴは草食性が強い海水魚で、常にそこら中のコケや海藻を細い口でちぎっては食べちぎっては食べ・・・を繰り返します。
あらゆる草食性の海水魚の中でも群を抜いてコケ取り能力は高いと、実際に飼育していて感じます。
コケに悩まされている方にとてもおすすめな海水魚です!
また、餌付けも容易で、協調性もあり初心者でも簡単に飼育ができるのもポイントが高いです。
ただしヒレに毒があり、刺されると1日激痛に苦しむことになるので取扱いにだけは注意しましょう。
餌付けのしやすさ | ★★★★★ |
丈夫さ | ★★★★☆ |
性格のよさ | ★★★★★ |
総合おすすめ度 | ★★★★★ |
インドキンギョハナダイ
インドキンギョハナダイ メス
charm
参考価格:¥-※
charm:¥1,500 ※amazon:¥1,550※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
インドキンギョハナダイは橙色の体色が美しいハナダイの仲間です。
太平洋産のキンギョハナダイに比べてより色鮮やかなので人気があります。
ハナダイの仲間には人工餌に餌付きにくい種類もいますが、本種は非常に餌付きやすく、海水魚飼育初心者にもおすすめされやすい種類です。
また、性格も温和で、メス同士なら群泳させることもできます。
メスを複数匹で群泳させると、そのうちの1匹が性転換してオスとなり、ハーレムを形成します。
オスとなった個体は貫禄のある風貌になり、この変化の過程を楽しむのも面白いでしょう。
このような性格から、メスを3匹程度一緒に導入してあげると良いでしょう。
また、サンゴにも危害を加えないのでサンゴ水槽にもおすすめな種類だといえます。
餌付けのしやすさ | ★★★★☆ |
丈夫さ | ★★★★☆ |
性格のよさ | ★★★★☆ |
総合おすすめ度 | ★★★★☆ |
ロイヤルグラマ
ロイヤルグラマ
charm
参考価格:¥-※
charm:¥3,350※amazon:¥3,450※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
ロイヤルグラマは綺麗に塗り分けられた2色の美しい体色が印象的な海水魚です。
餌付きがよく、非常に丈夫で飼育初心者でも比較的簡単に飼育ができます。
派手なビビットカラーをしているので、水槽内で非常に目立つ存在になるでしょう。
甲殻類が大好きなのでクリルを与えると狂ったように飛びついてきます。慣れれば手渡しでも食べてくれるようになります。
ただ甲殻類であるエビやヤドカリはロイヤルグラマの口に入るサイズだと食べられてしまう可能性があるので注意するのと、若干気が強く、縄張り意識が強いので飼育はできる限り大き目の水槽で飼育してあげましょう。
餌付けのしやすさ | ★★★★☆ |
丈夫さ | ★★★★☆ |
性格のよさ | ★★★☆☆ |
総合おすすめ度 | ★★★★☆ |
スカーレットフィンラス
スカーレットフィンラス
charm
参考価格:¥-※
charm:¥1,700※amazon:¥1,830※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
スカーレットフィンラスは真紅の体色と大きなヒレが魅力的なベラの仲間です。
釣りをする方なら知っている方もいるかもしれませんが、ベラは食に関しては非常に貪欲でなんでも食べます笑
アクアリウムにおけるベラも同様で、人工飼料もバクバク食べ、餌付けで困る事はほとんどありません。
また、同種同士でなければ基本はおっとりした性格で、混泳にも適しています。
本種は威嚇の際などに行うスプレッディングと呼ばれるヒレを大きく広げた際の姿が非常に美しく、ベラでしか味わえない魅力のひとつでもあります。
値段も手ごろで飼育初心者にもおすすめできる海水魚です。
夜寝るときなど砂に潜る習性がありますので細かめの砂を3cm以上敷いて寝床を作ってあげるとより状態良く飼育ができるでしょう。
また、ベラの仲間は水槽からの飛び出しが非常に多いので必ずフタをして飼育しましょう。
餌付けのしやすさ | ★★★★★ |
丈夫さ | ★★★★☆ |
性格のよさ | ★★★★☆ |
総合おすすめ度 | ★★★★☆ |
まとめ
飼育初心者におすすめの海水魚について知ることはできましたか?
飼育がはじめての方でも、しっかりとした設備を整え、手順通りに水槽を立ち上げればここに記載した海水魚ならまず問題なく飼育ができるはずです。
また、ここに記載した海水魚も初心者向けの海水魚のうちでもごく一部のものですので、ショップで気に入った魚がいましたら、店員さんに初心者でも飼育できるか聞いてみて飼育できそうなら是非挑戦してみてください。
また、飼育に慣れてきたら、ちょっと餌付けが必要な海水魚だったり、ちょっと水質に敏感な海水魚だったりに挑戦してみてください。
自分好みの海水魚を混泳させて自分だけのアクアリウムを作り上げましょう!
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