サンゴの中で、蛍光色が非常に美しく、ゆらゆらぷくぷくとした動きも魅力的なハードコーラル(LPS)ですが、その中にも多くの種類があり、どんな種類があるのか、このLPSはどういう飼育をすればいいのか、初心者の方にはわからないことがたくさんあると思います。
この記事では、ショップでよく見かけるような、人気でポピュラーなハードコーラル(LPS)を一覧にし、飼育方法や飼育のコツなどについて種類ごとに解説していきます。
ハードコーラル(LPS)の飼育方法のまとめについては以下の記事を参考にしてください。
また、ハードコーラルと対をなすソフトコーラルのおすすめ一覧は以下の記事で紹介していますのでこちらも併せてご覧ください。
人気・おすすめのハードコーラル一覧
それぞれのサンゴについて【照明】、【水質】、【水流】、【餌】、【難易度】の5観点を、5段階で評価していきます。
【照明】・・・★の数が多いほど強力な照明が必要
【水質】・・・★の数が多いほど清浄で安定した水質を要求
【水流】・・・★の数が多いほど強力でランダムな水流が必要
【餌】・・・★の数が多いほど餌を与えることで状態が向上する可能性がある
【難易度】・・・上記の4点を考慮し、★の数が多いほど飼育難易度が高いサンゴとする
ナガレハナサンゴ
ナガレハナサンゴ グリーン
charm
参考価格:¥-※
charm:¥6,000※amazon:¥6,180※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
ナガレハナサンゴはゆらゆらとしたイソギンチャクのようなポリプが特徴的なLPSです。
見た目はイソギンチャクやソフトコーラルの様ですが、ポリプの根元にしっかりと骨格があり、れっきとしたハードコーラルです。
ナガレハナサンゴの魅力は何といってもゆらゆらとしたポリプの動きです。
ここまで激しい動きをするサンゴはなかなかいませんので、見ていて飽きない楽しいサンゴだといえます。
また、ナガレハナサンゴは他のLPS同様、蛍光色が美しい個体が多く、特にメタリックグリーンの個体は青色LEDで照らすとその動きも相まって極めて妖しい美しさになります笑
また、蛍光色以外にもパープルベースの個体や、パープル/グリーンのツートンカラー、ちょっと珍しいものでは蛍光オレンジ/イエローの個体も存在し、カラーバリエーションも楽しめるサンゴです。
値段もボリュームのわりに安く、価格に対する満足度は非常に高いといえます。
飼育に関しては他のLPS同様に、照明は20W程度のそこそこの明るさのある青~UVを多く含むLEDもしくはメタハラを推奨、水質次第では青系の蛍光灯でも飼育は可能です。
また、ポリプがゆらゆら揺れる程度の水流があると状態よく飼育ができます。
(ただし、水流がポンプから直接当たるような一方的な水流は好ましくない)
餌は必要なく、水質もソフトコーラルが飼育できれば十分飼育は可能と、総合飼育難易度もそこまで高くありません。
よって、ソフトコーラルを飼育している方がはじめて飼育するLPSとして非常におすすめのサンゴだといえます。
【照明】 | ★★☆☆☆(青系蛍光灯~青系LED) |
【水質】 | ★★☆☆☆(ベルリンシステムがおすすめ) |
【水流】 | ★★★☆☆(ポリプが揺れる程度) |
【餌】 | ★☆☆☆☆(不要) |
【難易度】 | ★★☆☆☆(比較的容易) |
アワサンゴ
エダアワサンゴ
charm
参考価格:¥-※
charm:¥2,600※amazon:¥2,680※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
アワサンゴは花びらのようなポリプが特徴的なハードコーラルです。
ポリプが密になった個体はお花のブーケのようでとても可愛らしい見た目から人気があります。
カラーバリエーションも豊富で、基本はブラウンまたは画像のようなグリーンが主流で、ちょっとレアなものではピンク系の個体も存在します。
同じグリーンでも濃さやポリプの先端と中心部との色の違いなど、個体によって非常に様々なカラーがあります。
アワサンゴはハードコーラルの中では水質の変化に強い種で、照明も青系の蛍光灯で十分飼育が可能とハードコーラル飼育初心者の方にもおすすめです。
もちろんグリーンの蛍光色を引き出すのであれば青系のLEDを当ててあげるのがおすすめです。
また、小さめの個体が流通の主流ですので小型水槽ユーザーの方でハードコーラルの飼育に挑戦してみたいという方はぜひアワサンゴに挑戦してみて下さい。
【照明】 | ★★☆☆☆(青系蛍光灯~LED) |
【水質】 | ★★☆☆☆(比較的丈夫) |
【水流】 | ★★☆☆☆(そこまで必要ではない) |
【餌】 | ★☆☆☆☆(不要) |
【難易度】 | ★★☆☆☆(比較的容易) |
ハナガササンゴ
ハナガササンゴ グリーン
charm
参考価格:¥-※
charm:¥3,400※amazon:¥3,530※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
ハナガササンゴはふさふさしたボリュームのあるポリプが綺麗なハードコーラルです。
アワサンゴに似た見た目ですが、ポリプの長さや先端部の触手の本数で見分けることができます。
アワサンゴと同様グリーン、レッドといったカラーバリエーションも楽しめるサンゴです。
しかし、アワサンゴに比べると飼育が難しいハードコーラルだといえます。
水質としてはかなり要求するレベルが高く、環境が合わないとポリプを閉じてしまいそのまま死んでしまうことが多いです。
ミネラル豊富な海水を好むようなのでミドリイシを飼育するようなレベルの水質が理想です。
とはいえ一般にハードコーラルが飼育できているような環境であれば簡単に死んでしまうようなことはありません。
照明や水流についても通常のハードコーラルが飼育できる程度のものであれば問題ありません。
グリーン系の蛍光色が美しいサンゴなのでやはり青系のLEDなどが適しています。
ハナガササンゴは非常に気難しいサンゴで、サンゴ飼育上級者の方でも死なせてしまうこともあるサンゴです。
触手をあまり長く伸ばさないタイプ、またレッド系カラーの個体は長期飼育できる可能性が高いと言われています。
アミノ酸の添加が有効とも言われていますが筆者はアミノ酸無しで年単位の飼育ができていますので必須というわけではなさそうです。
ポリプをよく伸ばすグリーンのコモチハナガサなどは非常にきれいでショップでもそこそこ安く売られているのでサンゴ初心者の方が手を出してしまいがちですが、ハードコーラルの中ではちょっと難しいサンゴだということは知っておきましょう。
【照明】 | ★★☆☆☆(青系蛍光灯~青系LED) |
【水質】 | ★★★☆☆(ベルリンシステム推奨) |
【水流】 | ★★☆☆☆(ポリプが揺れる程度) |
【餌】 | ★★☆☆☆(アミノ酸添加が有効?) |
【難易度】 | ★★★☆☆(比較的容易だがクセが強い) |
スリバチサンゴ
オオスリバチサンゴ
charm
参考価格:¥-※
charm:¥3,200※amazon:¥3,300※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
その名の通りすり鉢状の形状が特徴的なハードコーラルです。
よくポリプの咲いた状態の良い個体はハードコーラル飼育の楽しみのひとつである成長も早く、飼育していて楽しいサンゴです。
ハードコーラルの中では比較的丈夫な種類です。
ポリプが大きく、サンゴ用フードを与えると食べ、状態も良くなるので数週間に1度程度与えると良いです。
ヤッコやチョウチョウオが好んで食べるのでこれらの海水魚とは一緒に飼育しないのが吉です。
【照明】 | ★★☆☆☆(蛍光灯~LED,メタハラ) |
【水質】 | ★★☆☆☆(比較的丈夫) |
【水流】 | ★★☆☆☆(ポリプが揺れる程度) |
【餌】 | ★★☆☆☆(与えれば食べる) |
【難易度】 | ★★☆☆☆(比較的容易) |
キクメイシ
キクメイシ グリーン
charm
参考価格:¥-※
charm:¥3,350※amazon:¥3,450※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
キクメイシは一見色の付いた岩のようですがハードコーラルの一種です。
自然界ではミドリイシに次いで大きなグループのサンゴですので、ダイビングをする方は見かけた事があるのではないでしょうか?
キクメイシはハードコーラルの中では比較的飼育が容易で、蛍光灯、LEDでも飼育が可能です。
ただし造礁性サンゴの一種ですのでミネラル分を多く含む清浄な海水の方が調子良く成長します。
よってベルリンシステムでの飼育やカルシウムリアクターの設置が上手に飼育するコツだといえます。
また、共肉部が非常にやわらかく、ヤッコやチョウチョウオに食べられやすいのでこれらの海水魚との飼育には向きません。
カラーバリエーションは多いですが一般に流通する個体はグリーンかレッド系の個体がほとんどです。
比較的安値なサンゴですのでハードコーラルの入門種としてもおすすめできます。
【照明】 | ★★☆☆☆(蛍光灯~LED,メタハラ) |
【水質】 | ★★☆☆☆(比較的丈夫) |
【水流】 | ★★☆☆☆(ゴミが溜まらない程度) |
【餌】 | ★★☆☆☆(与えれば食べる) |
【難易度】 | ★★☆☆☆(比較的容易) |
カクオオトゲキクメイシ
カクオオトゲキクメイシ
charm
参考価格:¥-※
charm:¥3,400※amazon:¥3,500※
※掲載時の価格です。現在の価格とは異なる場合があります。
キクメイシ科のサンゴのなかでもぷくぷくとした見た目が特徴的なのがカクオオトゲキクメイシです。
状態良く飼育すると共肉が膨らみ、ぷくぷくとした質感が面白いサンゴです。
また、カラーバリエーションが非常に豊富で、蛍光色の単色カラーを基本に、赤やパープル、オレンジなどの珍しいカラーやそれらの組み合わせのマルチカラーなど他のサンゴではありえないド派手な色彩が非常に魅力的な種です。
マニアの方でカクオオトゲキクメイシのみを集めたLPS水槽を所有している方もいるほどです。
飼育は一般的なハードコーラルの飼育に準じますが、派手な蛍光色を持っている個体には白系の照明ではなくUVを含む青系のLEDを当てると色彩を更に楽しむ事ができます。
ポリプが大きく、餌を与えるとよく食べるので1~2週間に1度サンゴ用フードをポリプごとに丁寧に与えてあげるとみるみる共肉が膨らみ、明らかに状態が良くなります。
また、キクメイシ同様にカルシウム値、KH値に気を遣ってあげると更に状態良く飼育できるでしょう。
ハードコーラルの中では初心者から上級者の方まで楽しめる非常に人気のあるサンゴです。
【照明】 | ★★☆☆☆(青系LED推奨) |
【水質】 | ★★☆☆☆(比較的丈夫) |
【水流】 | ★★☆☆☆(ゴミが溜まらない程度) |
【餌】 | ★★★☆☆(与える事で状態が良くなる) |
【難易度】 | ★★☆☆☆(比較的容易) |
まとめ
ショップでよく見かける人気のハードコーラルについてまとめてみましたがいかがでしたか?
ハードコーラル(LPS)はソフトコーラルとは違い、サンゴ用の飼育設備を整えないと飼育ができない種も多く、LPSを飼育し始めたらいよいよ本格的なサンゴ飼育に一歩踏み出したといえます。
ソフトコーラルやSPS(ミドリイシ等)に比べて動きのある種が多く、見ていて楽しいのは間違いなくLSPだと思います。
また、LPSは蛍光色が強い個体が多く、青系の照明で照らした際の美しさはほかの種のサンゴには出せないものがあります。
ソフトコーラルからのステップアップ、ミドリイシへの足掛かりといった中途半端なポジションにいるサンゴですが、蛍光色の美しさや動きの面白さは飼育できるサンゴの中ではトップクラスですので、飼育初心者から上級者まで幅広く飼育してみてほしいサンゴたちです。