サンゴの中でも飼育が簡単で初心者にもおすすめなソフトコーラルですが、その中にも多くの種類があり、どんなソフトコーラルがいるのか、このソフトコーラルはどういう飼育をすればいいのか、初心者の方にはわからないことがたくさんあると思います。
この記事では、ショップでよく見かけるような、人気でポピュラーなソフトコーラルを一覧にし、飼育方法や飼育のコツなどについて種類ごとに解説していきます。
ソフトコーラルの飼育方法のまとめについては以下の記事を参考にしてください。
また、ソフトコーラルと対をなすハードコーラルのおすすめ一覧は以下の記事で紹介していますのでこちらも併せてご覧ください。
人気・おすすめのソフトコーラル一覧
それぞれのサンゴについて【照明】、【水質】、【水流】、【餌】、【難易度】の5観点を、5段階で評価していきます。
【照明】・・・★の数が多いほど強力な照明が必要
【水質】・・・★の数が多いほど清浄で安定した水質を要求
【水流】・・・★の数が多いほど強力でランダムな水流が必要
【餌】・・・★の数が多いほど餌を与えることで状態が向上する可能性がある
【難易度】・・・上記の4点を考慮し、★の数が多いほど飼育難易度が高いサンゴとする
マメスナギンチャク
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【照明】★☆☆☆☆
【水質】★☆☆☆☆
【水流】★☆☆☆☆
【餌】★★☆☆☆
【難易度】★☆☆☆☆
小さな花びらのようなポリプが特徴的なマメスナギンチャクです。
マメスナギンチャクは、飼育難易度の低いとされるソフトコーラルの中でも最も飼育難易度の低いであろうサンゴです。
照明はサンゴ飼育用のものでなくてもある程度明るければ蛍光灯やLEDなどでも問題なく飼育ができ、水質についても海水魚が飼育できていれば同じ水槽で問題なく飼育が可能です。
ですが状態よく飼育しようと思うとやはりサンゴ飼育用の照明を用意し、海水魚を飼育するよりも良い水質を維持できるようなシステムにすることで、マメスナギンチャク本来の美しい蛍光色を楽しめると思います。
特に照明は、UV~青色の色温度の高い照明を使用することで驚くほど綺麗な姿を見ることができます。
水流については特に気にする必要はなく、また餌も与えれば食べますが、与えなくても光だけで十分飼育ができ、餌を与えることによる水質の悪化の方が気になるので餌を与える場合は数週間に1度程度の頻度に留めるようにしましょう。
カラーバリエーションが豊富なサンゴとしても有名で、地味な茶色に近い色の個体から、派手なレッドやオレンジ、グリーンやブルーの個体、またそれぞれの組み合わさった個体など、実に様々なカラーパターンがあります。
もちろん綺麗な蛍光色の個体ほど値段も高くなる傾向にあり、数千円~数万円と値段にもかなりの開きがあります。
USA産や中国産のレアカラーのものは、数cmのかけらのような大きさで数万円もするような個体もあり、飼育難易度としてはサンゴ飼育初心者向けですが、マニアの方も収集するような魅力的な個体も存在する、最近流行のサンゴだと言えます。
サンゴとしては最も飼育の容易なサンゴと言ってもいいくらいですので、サンゴ飼育をしたことのない方が初めて飼育するサンゴとしてとてもおすすめです。
スターポリプ
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【照明】★★☆☆☆
【水質】★★☆☆☆
【水流】★★☆☆☆
【餌】★☆☆☆☆
【難易度】★★☆☆☆
小さな星型のポリプが特徴的なスターポリプです。
こちらも上記のマメスナギンチャクと同様、飼育の簡単なソフトコーラルの代名詞とも言えるサンゴです。
飼育条件も同様に、基本は照明、水質共に最低限海水魚が飼育できるレベルの環境が整っていれば飼育は可能ですが、状態良く飼育する為にはやはりサンゴ飼育用の環境を整えるに越した事はありません。
スターポリプは鮮やかな蛍光グリーンをもつ個体が多く、この蛍光グリーンは青色系の照明を当てる事でとても美しく発色するので、スターポリプの飼育には青色系の照明を使用することをおすすめします。
基本的に飼育は容易なサンゴですが、水質や水流などが気に入らないと、なかなかポリプを開いてくれない事があるので、水槽に入れてから何日も開かない場合はサンゴの置き場所を変えてみたり、水流の向きを変えてみたり、いつもより少し多めの水換えをするなどして少し環境を変えてあげるといいでしょう。
スターポリプには数タイプの種類があり、上記画像のような、ポリプがはっきりと星型になっているとわかるものから、ポリプがとても長く、毛の長いカーペット状になっているものなど、同じスターポリプでもいくつかのバリエーションが確認されています。
中でも、ポリプが非常に長く、強烈な蛍光グリーンが美しい個体は「ラーメンスタポ」などと呼ばれ、非常に高額で取引される事もあります。
飼育難易度が非常に低く、その割に非常に美しいサンゴなので、初心者から上級者まで人気の高いサンゴです。
ディスクコーラル
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【照明】★☆☆☆☆
【水質】★☆☆☆☆
【水流】★☆☆☆☆
【餌】★★★☆☆
【難易度】★☆☆☆☆
その名の通り、円形の形状が特徴的なディスクコーラルです。
ディスクコーラルもやはり、上記の2種と同様に、飼育の簡単なソフトコーラルの代名詞的な存在です。
照明や水質は最低限の環境が整っていれば飼育が可能で、まさに初心者向けといったサンゴだと言えます。
ディスクコーラルはカラーバリエーションが豊富で、上記画像のようなグリーン、パープルや、鮮やかな蛍光レッドやブルーの個体もいます。
また、画像のようなバブルディスクと呼ばれるディスクコーラルの一種は、更に鮮やかな個体が多く、マニアにも人気のあるサンゴです。
状態良く飼育すれば、分裂して増えていくので、自分で数を増やせるというところも人気の理由の1つです。
ディスクコーラルの飼育のコツとしては、蛍光色を持つ個体が多いので、青色系の照明を使用すると美しい蛍光色を楽しめます。
また、餌をよく吸収する固体が多い為、定期的に餌を与えることで更に状態をあげることができる可能性があります。
与える餌としては、海水魚用の餌を細かく砕いて海水に溶かしたものや専用のプランクトンフードをゆっくりと吹きかけたり、クリルなどをふやかして細かくしてそのまま与えても食べてくれます。
与えすぎは逆効果になったり、水質も悪化しますので週に一回程度の給餌で十分です。
飼育は非常に容易で初心者向けのサンゴとして紹介される事が多いですが、増やしていく楽しみや、バブルディスクなどの非常に美しい個体の存在もあり、初心者向けの飼育が容易なサンゴに留まらない素晴らしい魅力のあるサンゴです。
ツツウミヅタ
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【照明】★★☆☆☆
【水質】★★☆☆☆
【水流】★★★☆☆
【餌】★☆☆☆☆
【難易度】★★☆☆☆
お花のようなポリプが集まったブーケのような見た目が特徴的なツツウミヅタです。
上記の3種に比べると若干飼育難易度は上がりますが、それでもソフトコーラルですのでサンゴとしては飼育の簡単な部類になります。
照明は海水魚飼育用の非力な蛍光灯やLEDでは厳しいのでサンゴ飼育用の照明を使うことを推奨します。弱い照明では明らかにポリプがひょろひょろになっていくので、こういった傾向が見られたら光量不足を疑いましょう。
ツツウミヅタはどちらかというと白系のパワーのある照明を当てたほうが状態良く飼育できると思います。
(グリーン系のカラーを持つツツウミヅタなら青系の照明でも良いです)
また、ポリプの形状から、根元にゴミが溜まりやすく、これが原因で調子を崩す事があるので、できる限りランダムな水流を発生させ、ゴミが溜まらないように注意しましょう。
個人的にソフトコーラルの中では最も好きなサンゴですので、もっと流行ってほしいですね笑
値段もそこまで高くなく、ボリュームもあるサンゴですので水槽内を一気に鮮やかにしたい方におすすめです!
ウミキノコ
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【照明】★★☆☆☆
【水質】★★☆☆☆
【水流】★★☆☆☆
【餌】★☆☆☆☆
【難易度】★★☆☆☆
イソギンチャクのようなポリプが特徴的なウミキノコです。
ウミキノコは、イソギンチャクの様に土台から無数の触手が生えていて、さらにその触手の先端からまた複数の触手(2次ポリプ)が生えているような形状をしています。
この触手が全て閉じたときの土台がきのこのような形状をしている事からウミキノコの名前が付けられているようです。
イソギンチャク同様、ポリプが水流にたなびく姿が美しく、どちらかというと色彩より動きが魅力のサンゴと言えます。
飼育条件としてはソフトコーラルらしく、そこまで強力な照明も、そこまで清浄な水質も必要とせず、飼育のしやすいサンゴです。
白系のパワーのある照明を当てる事でよく成長し、どんどん大きくなっていきます。
また、その動きを楽しむ為にも、強めでランダムな水流を当ててあげるといいでしょう。
調子が悪いと2次ポリプが開かなかったり、最悪1次ポリプまでも開かなかったりするので、こういった状態になってしまったら水質悪化や照明不足を疑いましょう。
チヂミトサカ
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【照明】★★★☆☆
【水質】★★★☆☆
【水流】★★☆☆☆
【餌】★☆☆☆☆
【難易度】★★★☆☆
鮮やかなピンクパープルが印象的なチヂミトサカです。
ウミトサカの一種であるチヂミトサカは、ウミトサカ系の中でもひときわ鮮やかなピンクパープルの色彩を持つサンゴとして非常に人気が高いです。
ある程度サンゴを飼育した事のある方なら分かると思いますが、維持が簡単なピンク系のサンゴというのは意外に少ないです。
なので水槽内でこのチヂミトサカは目を引く存在になり、そういった理由で様々なサンゴ水槽で重宝されます。
飼育の面では、トサカ類はソフトコーラルの中では比較的照明や水質にうるさく、初心者向けとは言いにくいかもしれません。
チヂミトサカに関しては、照明は白系のパワーのある照明が必要になってきます。照度不足だと明らかにひょろひょろになり、次第に消滅していってしまいます。
また、水質もソフトコーラルにしては清浄な環境を必要とするので、サンゴ飼育用のベルリンシステム式ろ過で飼育することを推奨します。
ベルリンシステム式ろ過については↓の記事を参考にしてください。
総じてソフトコーラルの中では若干飼育難易度の高い部類になりますが、このピンクパープルの色彩は他のサンゴではなかなか再現できないので苦労して飼育する価値のあるサンゴだと言えます。
まとめ
ショップでよく見かけるようなポピュラーなソフトコーラルをまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
ソフトコーラルは初心者向けの飼育が簡単なサンゴとして紹介される事が多いです。実際に飼育難易度としては非常に低い種が多く、海水魚を飼育している水槽でそのまま飼えてしまう種もいるほどです。
ですが、やはりサンゴとしての本来の美しさを見たいのであれば、そのサンゴにあった専用の環境を用意すべきであり、実際そういった専用のサンゴ水槽で飼育されたソフトコーラルは、「とりあえず海水魚水槽に入れてみた」だけのソフトコーラルとは明らかに美しさが違います。
飼育難易度の低いソフトコーラルといえど、他のサンゴに負けない素晴らしい魅力があるので、飼育初心者の方はもちろん、ベテランの方にももう一度魅力を再確認して頂きたいサンゴです。