ディスクコーラルは丈夫で要求する水質の条件も緩く、飼育初心者向けのサンゴだといえます。
形状や模様、カラーのバリエーションが豊富で様々な種類を収集する楽しみもあります。
この記事では、そんなディスクコーラルの種類や飼育方法、増やし方について解説していきます。
ディスクコーラルとは
ディスクコーラルは、その名の通り円盤状の形状をしたサンゴです。
ソフトコーラル(軟体サンゴ)と呼ばれる種類に分類され、このソフトコーラルは他のサンゴに比べて飼育が容易なことで知られます。
ディスクコーラルはそのソフトコーラルの中でも更に飼育は簡単な部類のサンゴで、飼育初心者向けのサンゴとして紹介されることが多いです。
直径1~5cm程度の小さなサンゴで、ライブロックに活着して生息しています。
ライブロックを買うと時々小さなディスクコーラルが付いていたりします。
自然界では数百個体が集まった群体として見られることが多いですが趣味の世界のアクアリウムで流通するのは1~5枚程度の個体が小さなライブロック片に付いたものになります。
ディスクコーラルの大きな特徴として、形状や模様、カラーのバリエーションが非常に豊富なことが挙げられます。
例えば形状なら、ノーマルなつるつるの円盤タイプを基本に、少し厚みがありぷっくりとしたタイプ、ヘアリーディスクと呼ばれる少し長い触手を持つタイプ、バブルディスクと呼ばれる丸い触手を持つタイプなどが存在します。
珍しいものではエレファントイヤーと呼ばれる直径10cm以上にもなる大型種もいます。
カラーバリエーションはグリーン、レッドを基本にブルーやオレンジ、またこれらのツートンカラーなど実に様々なカラーが存在します。
特に画像のカリビアンバブルと呼ばれるカリブ海産のバブルディスクは美しい蛍光色を持つ個体が多いため人気が高く、1枚数千円~1万円程で取引されます。
このように、ディスクコーラルは非常にバリエーション豊かなサンゴでこのサンゴを専門に収集しているマニアもいるほどです。
ディスクコーラルの飼育方法
ここからはディスクコーラルの具体的な飼育方法について解説していきます。
ディスクコーラルは飼育が容易とされているソフトコーラルの中でも更に飼育は容易とされます。
ディスクコーラルが飼育できない水槽では他のどんなサンゴでも飼育ができないと言ってもいいくらいです笑
基本的には一般的なソフトコーラルの飼育に準じた飼育を行ってください。
ソフトコーラルの飼育方法については以下の記事で詳しく解説していますので併せてお読みください。
以下ディスクコーラルの飼育をポイント別に詳しく解説していきます。
水質
ディスクコーラルは非常に丈夫なサンゴですので、水質に関して許容範囲はかなり広いといえます。
よほど魚を入れすぎていたりしない限り、海水魚が飼育できている水槽ならそのまま入れてしまっても大丈夫なことがほとんどです。
もちろん、サンゴ飼育に特化したろ過装置を使用したベルリンシステムのサンゴ水槽ならより健康に飼育を行うことが可能です。
ただし、ディスクコーラルは水質が良すぎても(≒栄養塩が無さ過ぎても)逆に調子を崩してしまうことがあります。
ミドリイシ水槽のような極限まで栄養塩を排除した水槽ではディスクコーラルは次第に数を減らしてしまうこともあり、ディスクコーラルのことだけを考えるなら多少栄養塩の検出されるような環境の方が好ましいといえます。
サンゴ飼育用の設備で海水魚もサンゴもたくさん飼育している、いわゆるハイブリッドベルリンタンクで最も調子が良くなるサンゴだといえます。
照明
照明についてもディスクコーラルはあらゆる照明に適応するサンゴです。
蛍光灯からLED、メタハラまで様々な照明で飼育が可能です。
60cm水槽なら10~20W程度の出力があれば十分に飼育が可能で、特にサンゴ飼育用の照明である必要もありません。
しかし成長や色揚げのことを考えるとサンゴ飼育用の、ある程度出力のある青白い照明を使用するのがベターです。
また、SPSが飼育できるような強力な照明下では明るすぎて照明焼けを起こす場合もありますので、こういった照明を使用する場合は直下は避け、隅や陰になる場所に配置してあげましょう。
水流
ディスクコーラルは特に強い水流を要求するサンゴではありません。
従ってディスクコーラル本体にゴミが溜まらない程度の水流があれば十分に飼育が可能で、フィルターからの水流があれば十分だといえます。
ディスクコーラルがめくれてしまうような強い水流は嫌いますので強力な水流ポンプを設置している場合は置き場所に気を付け、フィルターからの水流も直接当たることの無いようにします。
餌
ディスクコーラルは餌を与えれば食べます。
しかし給餌が必須というわけではなく、基本的には定期的な水換えで飼育が可能で、餌に関しては魚に与えたもののおこぼれや糞などで十分なことがほとんどです。
餌を与えることのメリットより水質悪化のデメリットの方が多く感じますので給餌は不要だといえます。
ろ過に余裕があり、より早い成長を望む場合には給餌を行ってもいいでしょう。
その場合は月に2,3回、魚の餌を細かくしたものか専用のサンゴ用フードを飼育水で溶かし、スポイトで吹きかけるようにして与えます。
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餌が流れてしまわないように水流ポンプやフィルターは一時的に止めるのがベターです。
餌を認識するとすぐに取り込み始め、一時的に蕾が閉じるように丸くなりますが数時間で元に戻ります。
以上を踏まえてディスクコーラルの飼育方法についてまとめると以下の表のようになります。
項目 | 要求度 | 備考 |
水質 | ★☆☆☆☆ | 通常ろ過でも飼育可 |
照明 | ★☆☆☆☆ | 最低限の明るさで飼育可 |
水流 | ★☆☆☆☆ | フィルターの水流で十分 |
餌 | ★★☆☆☆ | 与えれば食べるが基本不要 |
ディスクコーラルの選び方
ディスクコーラルをショップや通販で購入する際のポイントについて説明します。
ディスクコーラルを購入するときに気を付けるべきことは、「大きくポリプを広げている個体を選ぶ」ということです。
ディスクコーラルは非常に丈夫なサンゴですので、購入の際に状態の悪い個体を掴まさせることほとんどありませんが、ポリプを閉じてしまっている、もしくは若干縮んだような周囲にシワのある個体は弱っている可能性が考えられるので購入は避けるべきです。
ディスクコーラルを購入する際はポリプを大きく開いた個体を購入しましょう。
また、時々岩などに活着していないディスクコーラルそのものが売られている場合がありますが、特に飼育初心者の方はこういった個体は避け、岩に活着している個体を選ぶようにしましょう。
こういった個体は自前のライブロックなどに接着して飼育するのですが接着の際のリスクがありますので初心者の方には非推奨です。
ディスクコーラルの増やし方
ディスクコーラルは成長速度が速いサンゴで、簡単に増やすことができます。
成長してある程度の大きさになると分裂して個体数を増やしていきますので基本的には放置しているだけで勝手に増えていきます。
増えたあとは受ける光が最大限多くなるよう移動しますので、土台となるライブロックやそれに隣接するライブロックの面積を確保してあげることが重要です。
ディスクコーラルは増殖スイッチが入ると短期間で爆殖することもあります。
サンゴの中では比較的毒性が強いので、増えすぎると他のサンゴに接触して溶かすなど困ってしまうこともあるくらいです笑
一度活着したディスクコーラルを取り除くのは難しいので増殖させる場所にも注意しましょう。
まとめ
ディスクコーラルの飼育について知ることができましたか?
ディスクコーラルは極めて丈夫なサンゴで、まさにサンゴ飼育の第一歩におすすめのサンゴです。
勝手に増えていくというのもサンゴを飼育するのが初めてという方にとって魅力的ではないでしょうか?
また、カラーバリエーションも非常に豊富で、初心者向けのサンゴという位置に留まらず、サンゴ飼育に慣れた中~上級者の方にももう一度おすすめしたいサンゴです。
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